1.はじめに 
 2.研究・教育方針 
 3.研究テーマ 
  3.1安全と防災
  3.2設計と建設 
  3.3感性と力学 
  3.4環境と構造 
 4.研究室の学生の声 
 5.むすび 
  
 6.研究室の紹介記事 
 7.旧「研究室の紹介」 
 
 3. 研究テーマ

 3.2 設計と建設:岩盤の力学解析と構造物の情報化設計施工


  岩や土は,鋼やコンクリートと違って自然の材料であるため,強度や剛性が場所によって異なる不均質性がある.しかも,亀裂などを含むため,どのように破壊するか予測することが難しい.そこで,岩や土がどのように破壊するか,また,そのメカニズムを解明するためにコンピュータを用いた力学解析を行っている.最近の取り組みとして,粒状体解析手法に注目している.この手法を用いることで,土砂地山のトンネルのゆるみ現象や支保の効果のメカニズムが説明でき,また,パラメータを工夫することで同じ手法が,硬岩の亀裂進展性破壊にも適用できることが分かってきた.この手法は,これまでうまく説明できなかった岩盤挙動や補強の効果,また,詳細な計測によって捉えた現象のメカニズムの理解に適用できると思っている.

 一方,岩や土(地盤)を材料とした構造物であるトンネルや地下空洞の建設において,上に述べたように,地盤の力学的性質や初期応力などを事前に正確に知ることが困難である.そのため,建設前は基本的な設計をしておいて,施工中に計測を実施し当初設計の妥当性の検証や必要に応じた設計変更を行うことが一般的である.このような設計・施工のことを情報化施工と呼ぶ.

 この情報化施工においては,計測結果に基づいて構造物の安定性を評価し,対策を検討する方法が必要となる.研究室では,計測結果を直ちに評価できる力学解析手法を研究して現場に適用してきた.

 

 また,現場ではコスト縮減が大きな課題となっている.トンネルや地下空洞の建設コスト縮減を目的に,新しい岩盤補強工法としてケーブルボルトによる先行補強について研究を進めた.ケーブルボルト工法は,海外の鉱山で多用されているが,わが国での実施事例は極めて少ない.経験がないとともに,海外の鉱山は一般に均質硬岩であり,非均質で比較的脆弱なわが国の岩盤に適用できるか課題も多い.しかし,掘削を始める前にケーブルボルトで岩盤を補強しておき,掘削時の支保を減らし施工速度をあげると,トータルとして建設コストを減少できる可能性がある.そこで,大規模地下空洞への適用の可能性を調査するために,地下発電所空洞でケーブルボルト工法の実証実験を行った.






 その結果に基づき,設計,施工,計測評価の実用的な手順を提唱し,通常補強との建設コストの比較も行ったところ,わが国の岩盤においても十分実用性に耐える工法であることを示すことができた.


 
 
 

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